個人的にスザクは袴が似合うであろうと思う


アシュフォード学園の体育課程は基本的には選択である。

「…またやられたのか」

「また、ってやだな、ルルーシュ。毎回みたいに聞こえるよ?」

スザクのロッカーがこじあけられて、子供じみた誹謗中傷の標的にされていることなんて初日から続いていることだと知っている。

だが、なぜ知っているのかなんて問われたら、影からこっそり見ていましたと答えるより他にないのでルルーシュは黙り込む。

「お前が平気そうな顔するから。慣れてるのかと思っただけだ」

「そんなことないよ。でも、僕が泣いても元に戻るわけでもないからね」

正論だが、そう言って片付けてしまえるような問題ではない。

ここは副会長として見逃すべきではないような気がする。見逃したくないが、スザクはたぶん手を出したら笑顔で断る。

ルルーシュの沈黙を無視して、スザクはなれた手つきで汚された体操服を抱えて立ち上がる。

「じゃあ僕、洗濯してこようかな。ルルーシュはちゃんと授業に行くんだよ?」

「わかってるさ」

「僕はまだ選択決めてないから、遅れてだけど見に行くね。ルルーシュはどこ?」

「第二体育館だ。決めていないって、少しは絞ってあるんだろう?」

「うん、一応ね。個人技にしようとは思ってる。迷惑かけられないからね」

スザクの言葉は状況を考えれば当然なものばかりなのに、なんだか苛立ってしまう。

七年前はスザクが中心だった。

何をするにしても楽しかったし、ルルーシュたち兄妹の思い出の中心はいつだって彼だ。

「スザクはもうあれはしないのか?」

「あれって……?」

「弓道。ブリタニアでも禁止されてるわけじゃないだろ。会長の趣味で、授業でも可能だし」

「趣味って…ミレイさんの?」

「袴が好きらしい」

真顔で答えるルルーシュに、スザクは笑顔を浮かべる。

「そうなんだ。ルルーシュと一緒だね」

「俺は違う。あんなふうにストイックなのにうなじがどうとか言わないぞ」

「ふぅん。七年前、僕の性別を疑ったくせに」

「………仕方ないだろう。初めて見たんだから」

スザクの笑い声にルルーシュは気まずくなりつつ、昔のことを思い出す。

きっかけは忘れてしまったけれど、スザクの家の弓道場に赴いたことがある。

子供にとっては遠くてボールを投げつけることならできるかもしれないくらいの距離だったのに、的に向かって矢を放ったスザクはあっさりと矢を的中させた。

さすがにど真ん中というのはなかったと思うけれど、弓を引く動作も、その一連の所作を行うスザクの雰囲気もいつもとはまるで違っていて目が離せなかった。

袴がスカートに見えたのは、当時のルルーシュの偏見だけれど。

「もう間違えたりしないさ。大体、あんな体力馬鹿だって知ってたら言わなかった」

「ルルーシュはチェスの駒より重いもの、持ったこと無さそうだったからね」

笑顔で昔を懐かしむスザクの顔を見ていると安心できる。

思い出は今の自分のイメージとかけ離れたものも多いが、スザクが笑ってくれるならとりあえずはいいことにする。

再会は偶然で、胸を軋ませた。

二度目の奇跡が今だ。

「見に行くか?選択してる生徒は会長と、ごく一部だし」

「そうだね。弓道場ってそういえばどこにあるの?」

「ああ、地図にはないんだ。古いんだよ、この地図は」

学校案内に載っているものは記憶しているらしいスザクの言葉に、ルルーシュはほっとする。

これでスザクから離れずに済む口実が出来た。

「スザク。教科書とか、いれるか?」

「え?」

「俺のロッカーに。二人分は狭いけど、入らなくもないだろ」

「遠慮しておくよ」

「そういうと思った」

「大丈夫だよ。きっと」

楽観的なスザクの言葉に苛立ちを覚える。

いつかどうにか変えて見せると思ってブリタニア軍にも入ったのだろう。

でもまだ現実はスザクの思うとおりになんてならないのに。

そもそもこの学園の生徒は表立って勝負をしかけてきたりはしないのだ。

そういうやり方はルルーシュだって気に喰わないが、してやれることはない。

救いの手を差し伸べてもスザク自身が拒否をする。

ゼロの手を拒絶したように。











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しまったスザクの袴姿を書かないまま終わってしまった。

こんなはずじゃ…(汗

誰か描いてくれないだろうか。弓道するスザクさん。

ルルは銃が似合うよ。そして重いもの持てない幼少ルルさんが可愛いと想います。

個人的にお姉様ミレイ会長とコーネリアさんの袴姿も見たいですデヘヘ